夢で見た君との空
「章……」

章はニッコリとあたし達のもとに近づいてきた。

「声聞こえたから、やっぱりいた♪」
「うっ……」

章は何も疑わない、純粋な笑顔をあたしに向けてくる。

やめてよ、それが苦手なのに……。

あたしはやっぱりその笑顔に負けて、冷たい視線を送ってくるお姉サマ方や他の子達のことも、女好きかそうじゃないかについても全てがどうでもよくなってきた。

「なぁなぁ、今日時間ある?」

堂々とあたしを誘ってくる章。
冷や汗をかくあたし。

「ある、けど、でも……」


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