百の愛の言葉よりも、一輪の花を
代わりのつもりなのか、夫は時々、ささやかな贈り物を私にくれる。
贈り物といっても、リボンがかけられているようなおしゃれなプレゼントではない。
恐らく、そんな演出すら彼にとっては大それたことなのだろう。

そして、私のために買ったのではないような言い訳を、いちいち考えてくる。

「会社でもらったから」

「安くなってた」

「つきあいで買わされた」

などなど。

そんな言い訳を考えるより、

「君にプレゼント」

と言った方がよっぽど簡単なのだけど。
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