愚者
「友達だから……」
「分かったよ。だけど、私から聞いたと云う事は伏せてくれるかな?云った所でグタグタ云う子じゃ無いが」
「約束します」
葵の思い詰めた顔が時雨の中の何かを動かした。時雨の性格から云えば、他人の事を簡単に口にする事は無いが、葵の真剣な思いに答える方が良いと思い話す決意をした。
「あの子はね、児童施設で育ってるんだよ」
「施設ですか?」
「生まれて直ぐに捨てられたらしいんだ。何気無い会話の中で、珍しく自分の口から語ってくれた」
「そうなんですか?」
「ああ。だから、一人で生きる厳しさや寂しさを一番知ってるんじゃないのかな」
「そんな風には見えません……」
「誰にも甘えないと云う信念と云うか、世の中の全てに嫌気が差してるんだと思う。その上で自分の生きる方法を見付けて、あのスタンスを取ってるんだろう」
「だから、何時も一人で居るんですか?」
「私は学校での彼女を知っている訳じゃないから何とも云えないけど、社会に馴染むのは難しいんじゃないのかな」
「そんな感じです。何時も一人で、でも凄く凛としてるんです」
「分かったよ。だけど、私から聞いたと云う事は伏せてくれるかな?云った所でグタグタ云う子じゃ無いが」
「約束します」
葵の思い詰めた顔が時雨の中の何かを動かした。時雨の性格から云えば、他人の事を簡単に口にする事は無いが、葵の真剣な思いに答える方が良いと思い話す決意をした。
「あの子はね、児童施設で育ってるんだよ」
「施設ですか?」
「生まれて直ぐに捨てられたらしいんだ。何気無い会話の中で、珍しく自分の口から語ってくれた」
「そうなんですか?」
「ああ。だから、一人で生きる厳しさや寂しさを一番知ってるんじゃないのかな」
「そんな風には見えません……」
「誰にも甘えないと云う信念と云うか、世の中の全てに嫌気が差してるんだと思う。その上で自分の生きる方法を見付けて、あのスタンスを取ってるんだろう」
「だから、何時も一人で居るんですか?」
「私は学校での彼女を知っている訳じゃないから何とも云えないけど、社会に馴染むのは難しいんじゃないのかな」
「そんな感じです。何時も一人で、でも凄く凛としてるんです」