愚者
ドア越しの会話。面と向いたいが手首に浮き出た血を見て断念する。何故その様な行為をしたのか分からないが、リストカットをしているのを知られるともっと心配させてしまう。葵はティッシュで血を拭い、デスクに滴り落ちた血を眺めて何故か心が安定して行く自分が不思議に思えた。まだ四面楚歌と云う状態では無い。小夜子が支えてくれている。葵はその事を思うと心が軽く成る自分に軽い安堵を覚えた。
*
「もっと上手く出来んのか?」
大型モニターに映し出された映像を見ている初老の老人が、不機嫌極まりないと云った口調で詰問する。
「申し訳有りません。私の指示不足です」
「ふん。あれだけ御託を並べた割にはくだらん展開じゃ。もっと手際良く出来んのか?」
「今後調整を掛けます」
「平凡じゃのう。それに手際が悪いわい。ワシ等はもっと壊れる様を求めておるんじゃ」
「分かっています」
「なら、もっと手早くせんか」
「直接的な方法なら幾らでも有りますが、間接的な精神面からの攻撃ですので上手くしなければ……」
「そんな事等、ワシ等の手に掛かれば揉み消す事が出来るのは知っているじゃろうが」
「それは心得ています。ですが、最近変な男が色々と嗅ぎまわっていると云う情報が入りましたので」
「ふん。それこそ踏み潰してしまえば良い」
「それは確かにそうですが、色々と噂を集める程に、一筋縄では行かない相手の様でして」
「云い訳等は聞きたくないわい。結果を出して貰わんとな。その為に金を出してるんじゃからな」
「分かっています」
「今後の展開を期待しとるぞ」
*
「もっと上手く出来んのか?」
大型モニターに映し出された映像を見ている初老の老人が、不機嫌極まりないと云った口調で詰問する。
「申し訳有りません。私の指示不足です」
「ふん。あれだけ御託を並べた割にはくだらん展開じゃ。もっと手際良く出来んのか?」
「今後調整を掛けます」
「平凡じゃのう。それに手際が悪いわい。ワシ等はもっと壊れる様を求めておるんじゃ」
「分かっています」
「なら、もっと手早くせんか」
「直接的な方法なら幾らでも有りますが、間接的な精神面からの攻撃ですので上手くしなければ……」
「そんな事等、ワシ等の手に掛かれば揉み消す事が出来るのは知っているじゃろうが」
「それは心得ています。ですが、最近変な男が色々と嗅ぎまわっていると云う情報が入りましたので」
「ふん。それこそ踏み潰してしまえば良い」
「それは確かにそうですが、色々と噂を集める程に、一筋縄では行かない相手の様でして」
「云い訳等は聞きたくないわい。結果を出して貰わんとな。その為に金を出してるんじゃからな」
「分かっています」
「今後の展開を期待しとるぞ」