愚者
手首の痛みで眼が覚めた。葵はベッドの上で天井を呆然と見詰めている。昨晩衝動的に行なったリストカットの痛みが今だに残っている。手首にバンドエイドを貼り包帯で瑕を隠す。
母にバレたら如何思うのだろう。葵が思うのは常に自分の事以上に回りに対しての思いの方が強い。寂しさを紛らわす為にしたリストカットだが、この痛みが現実から逃げる只一つの方法の様に思えて来る。思考的には完全にネガティブスパイラルに陥っている。それ程迄に人間の心とは弱い物だ。葵は引き攣る手首を優しく撫ぜてベッドから起き上がり学校に行く準備をする。登校したくない。だが義務だと云う現実が葵を責め立てる。今日は何が起こるのだろうか。不安だけが心に重く圧し掛かり自分自身を見失いそうに成る。だが現実は甘く無く、時間が止まる事はない。ふら付く足取りでハンガーに掛けている制服に着替えて準備をする。考えては駄目だ。本能は分かっているが、自然と心が葵を責め立て、考えを止める事が出来無い。
ガチャリと部屋のドアを開け、テーブルに置かれている朝食を簡単に済ませて登校の準備をして家の玄関を出る。
―大丈夫
母にバレたら如何思うのだろう。葵が思うのは常に自分の事以上に回りに対しての思いの方が強い。寂しさを紛らわす為にしたリストカットだが、この痛みが現実から逃げる只一つの方法の様に思えて来る。思考的には完全にネガティブスパイラルに陥っている。それ程迄に人間の心とは弱い物だ。葵は引き攣る手首を優しく撫ぜてベッドから起き上がり学校に行く準備をする。登校したくない。だが義務だと云う現実が葵を責め立てる。今日は何が起こるのだろうか。不安だけが心に重く圧し掛かり自分自身を見失いそうに成る。だが現実は甘く無く、時間が止まる事はない。ふら付く足取りでハンガーに掛けている制服に着替えて準備をする。考えては駄目だ。本能は分かっているが、自然と心が葵を責め立て、考えを止める事が出来無い。
ガチャリと部屋のドアを開け、テーブルに置かれている朝食を簡単に済ませて登校の準備をして家の玄関を出る。
―大丈夫