愚者
夕日が眩しい放課後。昼に起きた事件は嘘だと思いたいが、現実的には何も変わらない。教室の中では相変らず浮いた存在と好奇の視線に晒されている。小夜子が居れば。葵の心の中にはその事ばかりが浮かんでは消えて行く。だが小夜子は居ない。小夜子の事が心配な思いと、心の支えとしての小夜子の存在を確かめる様に夕暮れの廊下をトボトボと歩き職員室へと向う。酷い仕打ちを受けた担任と会話をする事には抵抗が有るが、小夜子の事が気掛かりで仕方が無い。職員室のドアの前に立つと心拍数が上昇するのが分かる。葵は勇気を振り絞りソッとドアを引き職員室の中に入り、さっと視線を辺りに走らせるが担任の姿は見えない。
「どうしたの?」
一人の女性教師が葵に声を掛けて来る。
「あ、あの……」
「何か有ったの?」
「あの、宇都宮さんの住んでいる住所が知りたくて……今日学校をお休みしたので、お見舞いに行きたいんです」
「少し待ってなさい。今調べて上げるから」
女性教師は葵の担任が使っていると思われる机の上に有る名簿を捲り出す。葵は自分の在籍しているクラスが良く分かったなと感心するが直ぐに理解した。制服に付けて要るバッチにクラス名が記載されている。女性教師は名簿を机に置き、紙片にサラサラと文字を書き葵の元に戻って来た。
「これが宇都宮さんの住所よ」
「どうしたの?」
一人の女性教師が葵に声を掛けて来る。
「あ、あの……」
「何か有ったの?」
「あの、宇都宮さんの住んでいる住所が知りたくて……今日学校をお休みしたので、お見舞いに行きたいんです」
「少し待ってなさい。今調べて上げるから」
女性教師は葵の担任が使っていると思われる机の上に有る名簿を捲り出す。葵は自分の在籍しているクラスが良く分かったなと感心するが直ぐに理解した。制服に付けて要るバッチにクラス名が記載されている。女性教師は名簿を机に置き、紙片にサラサラと文字を書き葵の元に戻って来た。
「これが宇都宮さんの住所よ」