愚者
「そう云うて貰えると助かるな……」
「遠慮する事はないさ」
「ほな掻い摘んで話しをするで。時雨はギャンブルをするか?」
「いや、興味が無いね。どのギャンブルでも、割を食うのが眼に見えている勝負は好きじゃない」
「そうやったな。確かに時雨はそう云う性格やった」
「しかし、今回の案件とギャンブルと一体どんな関係があるんだい?」
「それが大有りなんや」
「と云うと?」
「色々な世界に関って来たけど、今回の仕事は正直辛いわ。切れとる人間と云う奴にマトモなんが居らんとしか思えん」
「どう云う意味だい?」
「人間を賭博の対象にしたんが趣味な奴でな。人間心理と云う物を知り尽くしていると云うか、どう形容したら良いか困るな」
「賭けの対象が人間?」
「そうや。それも、かなり複雑やし胸糞悪く成る問題や」
「目的は?」
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