愚者
「脳味噌が腐ってるって云うか、痛いとしか云えないね」
南條は吐き捨てる様に云い放つ。確かに南條が揶揄する痛いと云う言葉以外に適切な言葉は無いと思える。人間の愚かしさを再度考えさせられるには十二分な内容だ。
「ほんまに阿呆としか云われへんけど、この子も可哀想としか云われへん。時雨もそう思わんか?」
何も知らない関が同意を求めて来る。如何した物か。下手に隠し事をしても何れは露見する事だ。私は意を決して真実を話す事にした。
「この子は、店の常連さんだよ……」
「何やて?」
「常連と云うか、元々店に良く来る女の子が連れて来たのが切欠なんだがね」
「せやったら、この子と知り合いって事やないか」
「そう成るね」
「ふむ。しかしこの子の生い立ちもかなり複雑やけど、この世に神さんが居らんと思わされるには、十二分な仕打ちや」
「何か知っているのかい?」
「まあな。元々この子は大阪からこっちに引っ越して来た見たいなんや。それも前の学校でもイジメが原因とか云う話や」
「前の学校でもなのかい?」
「そうや。それも、別に何をしたと云う訳でもあらへん。そんなゴタゴタの中、離婚を切欠に引越して来て心機一転の積りやったんやろうけどな……」
「引越し先でも、同じ事の繰り返しか」
「そや。それに、この子の母親もかなり複雑な生い立ちでな。確か、旧姓が新崎恵云うて、交通事故で肉親を無くして、それからは施設育ちらしいわ。それ以上の内容は今も継続して調べとるけど、不幸な生い立ちと云う意味では変わりはあらへんな」
南條は吐き捨てる様に云い放つ。確かに南條が揶揄する痛いと云う言葉以外に適切な言葉は無いと思える。人間の愚かしさを再度考えさせられるには十二分な内容だ。
「ほんまに阿呆としか云われへんけど、この子も可哀想としか云われへん。時雨もそう思わんか?」
何も知らない関が同意を求めて来る。如何した物か。下手に隠し事をしても何れは露見する事だ。私は意を決して真実を話す事にした。
「この子は、店の常連さんだよ……」
「何やて?」
「常連と云うか、元々店に良く来る女の子が連れて来たのが切欠なんだがね」
「せやったら、この子と知り合いって事やないか」
「そう成るね」
「ふむ。しかしこの子の生い立ちもかなり複雑やけど、この世に神さんが居らんと思わされるには、十二分な仕打ちや」
「何か知っているのかい?」
「まあな。元々この子は大阪からこっちに引っ越して来た見たいなんや。それも前の学校でもイジメが原因とか云う話や」
「前の学校でもなのかい?」
「そうや。それも、別に何をしたと云う訳でもあらへん。そんなゴタゴタの中、離婚を切欠に引越して来て心機一転の積りやったんやろうけどな……」
「引越し先でも、同じ事の繰り返しか」
「そや。それに、この子の母親もかなり複雑な生い立ちでな。確か、旧姓が新崎恵云うて、交通事故で肉親を無くして、それからは施設育ちらしいわ。それ以上の内容は今も継続して調べとるけど、不幸な生い立ちと云う意味では変わりはあらへんな」