大きな愛
「今日は病院に泊まるようにってさ...貧血起こしたみたい...学校休んでいいからさ。あたし言っとくし...」

「ごめんね...」

「かまわんよ!!じゃ、もう帰らないとお母さんに怒られちゃうっ...ごめん!帰るね!!」


「ありがとう...」


あたしはそんなさゆりがうらやましいと思った。



家がある。お母さんがいる。待ってくれる人がいる。それが...すごくうらやましい。あたしには...帰っても誰もいないんだから...。




あたしはポケットに入ってた携帯を取り出した。
携帯につけてある賢治とのおそろいのイルカのストラップ。
そして、賢治とのプリクラ。笑顔で溢れるそのプリクラもストラップも...



あたしの宝物だったのに...。







あたしは夢を見た。
賢治がだんだん遠くの方へ行ってしまう夢...。


どんなに裏切られても、嘘をつかれてもいいや...あたしは賢治がいないとダメなんだよ...。
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