消え行く花のように
そう
リエルに身内はない
帰る場所は何処にもないのだ
俺のところ以外は何処にも――
今夜も白い雪が舞い落ちる夜の街、どこまでも暗い空を見上げる。
(この寒空の下、一体何処で凍えている?)
本来、あまり寒さも暑さも感じないはずなのに、頬に落ちた雪が、やけに冷たく……刺さるような感覚すら覚えた。
まだ小さく、弱い人間であるリエルがこの寒さに耐えれるとは到底思えない。
(待っていろ。すぐに見つけてやるからな)
どうしてもっと早く迎えに行ってやらなかったか……
それが悔やまれた。
あの日、あんなに不安げに見送っていたのに。
あの小さな少女がどれだけ自分にすがっていたか分かっていたはずなのに……
店に行くまで、ずっと自分の手を強く握り締めていた小さな手を思い出すと、胸を締め付けられるような感覚に襲われ、気持ちが沈んだ。