愛してるのに愛せない
「テストどうだった!?」
「ん〜…まぁまぁ」
学校の帰り道。
あたしは海斗と大輝に、家まで送ってもらってる最中だった。
大輝がテストの話を出し、あたしたちはテストを振り返る。
「彩はテストどうだった?」
海斗があたしに聞いてくる。
「あたしは…そこそこに…」
「じゃあ俺の勝ちだな!」
大輝は自信満々に言う。
少なくとも、大輝には勝ててる…
きっと海斗もそう思っているだろう…
テストの話で盛り上がり、気が付くとあたしの家が見える。
「じゃあ…またねっ」
あたしは二人にバイバイと手を振る。
「おぅっ」
「また明日な」
二人と笑顔で別れる。
それから終業式の日を迎え、明日から夏休みだと喜ぶあたしたち三人。