愛してるのに愛せない
「今からか…まぁ、いいか」
俺は彩に来てもいいことをメールで送ると髪の毛を切ることに専念する。
携帯が鳴ったが、彩だろう…とりあえず無視しても大丈夫だろう。
30分ぐらい経って、インターホンが鳴る。
俺はうまく切れない後ろ髪を後回しにして、ドアの方に向かう。
「はい?」
「彩です♪」
俺は彩だとわかると、鍵を開けてドアを開ける。
「うわっ!!髪の毛少なっ!!」
「俺をハゲみたいに言うなよ…」
「あははっ!ごめんごめんっ」
「まぁ、入れよ」
「うんっ!お邪魔します」
俺は彩を中に入れて、鍵を閉める。
彩は、相変わらず靴を揃えてくれる。
俺は冷蔵庫から麦茶を取り、コップに注ぐと彩に渡した。
「ありがとっ」
彩は俺にお礼を言うと微笑んだ。
「プリンやめたの?」
俺は彩の髪の色が真っ黒になってるのに気付き、聞いた。
「うん。黒にしてみたけど…変?」
彩は照れてるような、苦笑いをしてるような表情で俺を見る。
「いや?可愛いよ?」
「ほんとっ!?良かったぁ…」
褒めると、ぱぁっと明るく笑って嬉しそうに喜ぶ彩が可愛いと思ってる。
もともと顔も可愛いし…なぜか頭も良い彩は、俺にとっては第二の太陽だ。