愛してるのに愛せない
「はいっ!終わったよ!」
「ありがと」
うん、頭が軽い。
「今、頭が軽いって思ったでしょ?」
「…っ!!なんでわかった!?」
「ん~…なんとなく?」
彩が俺の気持ちを当てて、俺は驚く。
それも、なんとなく…でだ。
「心が読めるんですか?」
「あははっ!まさかっ」
なぜか、彩といると楽しい。
俺は彩が好きなのか…?
「そのままだと痒くなるよ?お風呂入っちゃいなよ!」
「えっ?…あっ、あぁ…」
まさか…ね。
きっと親友だからだな…
俺は自分に言い聞かせ、風呂に入る準備をする。
いざ入ろうと思ったが、彩が気になる。
「覗くなよ?」
彩に向かってそう言うと、何を考えたのか、彩は顔を赤くして両手で顔を覆う。
「覗かないよっ!!」
なんていうか…からかいがいのある奴だな…
俺は風呂に入って髪を洗って、切った髪を流す。