愛してるのに愛せない
「あ、大輝?彩は…?」
『まだ見つけてない…』
大輝に電話して彩のことを聞いてみたが、彩はやっぱり見つかってない。
走って彩を探しながら、大輝と話す。
「そっか……こっちも彩の両親と話し終わって探してる。見つかったら連絡くれ!」
『わかった!じゃあな』
電話を切って、俺は立ち止まって考える。
彩が行きそうなところ…
それだけを考えた。
俺の家、学校、よく遊ぶ所……そして公園。
公園を思い出すと同時にあることを思い出した。
以前、彩が俺を見つけた場所…
俺はその公園に全速力で向かった。
――彩…待ってろよ…。