愛してるのに愛せない
「うん、なかなかいけるっ」
大輝が一口食べて、料理の感想を言う。
『良かった…』
俺と彩は、またも同時に同じ言葉を発する。
「なんか、だんだん二人の息が合ってきてるよな…俺だけハブですか?」
大輝がふてくされるような、いじけるような感じで言う。
それを聞いた俺たちは顔を見合わせて……あれ?顔が熱い…
それに、彩の顔も赤い…
「なに二人とも顔赤くしてんだよ~」
「うるさいっ!黙れっ!」
彩が激しく反論した。彩…動揺してんだな…
「照れんなって」
大輝がニヤニヤしながら彩に言う。
「照れてないっ」
いや、彩…人のこと言えないが照れてるぞ…?
こんな賑やかなの…いいなぁ…
俺はこの状況に嬉しくなった。