桜の咲く頃に
そんな桜の日常は学業と音楽と祖母の手伝いでほぼ埋まる。



学校が終わればスタジオに入り歌う。


祖母の手伝いがある時は制服姿のまま花を活ける。


中学生ながらも桜は華道家なのだ。


桜個人にも数人の顧客がいる。


「綺麗な子が活けてくれると花も輝きを増すねぇ」


花を持つ手が一瞬止まった。


(どこが?どこが綺麗だって言うんだよ?)


(こんなに心はどす黒いのに…)
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