秘密の授業〜あたしの青春〜
「100とか絶対無理だろー!」
アハハ、と笑いながら言う男子。
無理じゃないよ。
あたしがとるから。
100点……とるから。
「よし、じゃー始めるぞ!筆箱以外はカバンにしまえよー……」
そう言いながら、先生は問題用紙と解答用紙を配り始めた。
あたしの手は、いつもより確実に湿っている。
鼓動も早い。
クラス全員に、問題用紙と解答用紙が行き渡った頃……先生は腕時計を確認して言った。
「では……始め」
問題用紙をバサバサとひっくり返す音が響き渡る中、あたしは目を閉じて深呼吸をした。
思い浮かべるのは……先生の言葉。
『頑張れ』っていう、言葉。
その言葉を思い出したあと、あたしは静かに問題用紙を表にした。