秘密の授業〜あたしの青春〜



「山崎……先生」

「西原、でけえ声出してどうした?」


少しふざけたような笑い方をして西原さんに話しかける先生。


先生の筋肉のついた太い腕が……西原さんの拳を止めたんだ。

あたしを……守ってくれたんだ。


「いえ……なんでも、ないです……」

「そう?ならいいけど」


西原さんは先生が来た途端、急に大人しくなった。


なんだそれ。
反則だぞ!


「愛川もどうした?2人揃って教室でサボりか、ははっ」


……先生は、気付いてる。

きっと、全部わかってる。


なにも知らないフリをしてくれてるんだ。


優しいね。
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