赤い糸はだあれ?−あたしと五人の王子様−




「ったくー。だめだろ?
大切に扱わなきゃ。」



ニッと悪戯に笑う哲先輩。




「あ。

すいません。」







見られたことに、恥ずかしさが込み上げてくる。




もうー、ダメじゃんあたし!



俊先輩だったらどーすんのよ!






顔が赤くなるあたしを見て、俊先輩は笑う。








「はは。

かわいーなぁ、ホントに。」



「へっ?」






は、はい?


今、かわいいっつった!?

かわいいって!






「ふっ。

ほんと、天然だよなー。」




ポンポンと頭を撫でられる、あたし。



んなっ!



なに、この甘い感じ!




やばいって!


またドキドキしてるじゃん。





「天然だなんて、初めて言われましたよ。」


「そ?

皆、気づいてないんだなー。」





『お疲れ。』と、カゴの中のボールを持って、行ってしまった。








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