あの日に戻りたい・・・。

突然の告白


『イタリアに引っ越します』

「は?」
「蘭ちゃん?」
「冗談やめろよ」
「・・・・」
「なあ」
「高大!」
「今まで黙っててごめんなさい・・・。お父さんの転勤が急に決まったの。
いろいろと忙しくて話す暇なんてなかったのよ」
「・・・んなばかな」
「そんな事って」

私だってお父さんを恨みたいくらいだったよ。
でもついて行くしかないんだ。
ごめんね高ちゃん。

「いつ戻ってくるんだ?」
「4年後」
「4年??」
「そんなに・・・」
「あっ時間だから・・・」

いつしか時は飛行機出発の2時間前。
もう帰らないと間に合わない。

「じゃあ・・・行くね」
「蘭。俺、ずっと待ってる。おまえが帰ってくるまで
待ってるから・・・。」
「うん。」

さようなら・・・。高ちゃん。
もう一生会えないかもしれないのに待ってるって言ってくれたこと
一生の思い出だよありがとう。
幸せになってね。

「お父さん!」
「お帰り。ちゃんと言ってきたか?」
「うん。もうすっきりしたよ」
「じゃあ行こうか」
「うん」

西内 蘭
イタリアに飛びます。向うでどんな暮らしが待っているのか
わかんないけど、精一杯がんばります!

「蘭。これからだいぶかかるから、ちょっと寝てなさい」
「うん」
「はい。アイマスク」
「ありがとう。お母さん」

飛行機に乗るとたくさんの人が乗っていた。
お父さんと同じ転勤だけど、単身赴任らしき人。
観光で行く人などたくさんいた。

「さあ、イタリアへ行くぞ」
「うん」
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