to Home!!
10章


「ミヒローっ!!」


朝から会うなり、抱きついてきたノン。


祐也さんと両想いになれた事は、昨日の夜に連絡していた。



「ほんっとによかったね!ってか、うらやましー!」


こんな風に一緒に騒いでくれる、喜んでくれている友達がいて凄く嬉しかった。



2人で騒ぎまくってるなか、騒がしく教室に榊が入ってきた。



「た、たた助けろ!!」


最初榊だと分かった瞬間、目を逸らしてしまいそうになったが、榊が私たちを呼び止めた。



「お前ら!無視しよーとしてんじゃねーよ!!」



偉そうに入ってくるなり、私の腕を掴んで引っ張ってきた。



「なっ、なに!?」


「お、おだ、小田切が…」


真っ青に近い顔をした榊が助けを求めてくる。



するとそこに…



「榊ー?」


小田切くんの声が聞こえた。



「うっ…」



榊はすかさず私の手を掴んだまま、教室の外へ駆け出した。



何!?なに!何!!?


訳がわからんまま、榊に引っ張られていった。



「ハァ…ハァ…」


「…な、んでそんな逃げんの…?」


誰もいない体育館裏まで逃げた榊にそう言った。




「いや、あいつさ…」



話し出そうとして、ふと動きを止めた。



「矢野…」


急に真剣な顔になって名前を呼ばれる。



「はい…」



「……よかったな、両想いになれて」



…ん?

「え、…なんで…」


なんで知ってるの?




そんな疑問を視線で投げ掛けたが、彼の視線は私の目…よりやや下にいっていた。





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