恋する心は“あなた”限定

ギュッと力が込められた空守君の手に包まれた私の手。


ドキドキが伝わっちゃいそう…。


震えそうになる手を、そうならないよう必死にこらえる。


「俺、グラウンドに戻るよ。決勝に備えて少し練習しておきたいから。」


空守君は手を離すと、“あとでグラウンドでな。”と言って笑顔を浮かべながら保健室を出て行った。


空守君の温もりが手に残ってる…。


その余韻でドキドキしちゃう私は……おかしいのかな…。


空守君への想いを抑えようと思ってるのに、より一層、意識してる気がするよ…。



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