私こそ光る☆君 ~エレジー編~
「カットッ!!」
これで何回目だろう。
監督が首を横に振っている。
リテイクを出されるたびに樹里の気持ちが分からなくなっていく。
カット、カット、カット……。
頭の中で監督の声が渦巻く。
気持ち悪い。
立っていられない……。
その場にしゃがみこむ。
「おいっ!!
光、どうした!?」
私を心配して駆け寄ってくれたみんなの姿がかすんで見える。
「おい、しっかりしろっ!!」
みんな、ごめんね……
私は意識を手放した。