PRAY MACENARY
辺りはモウモウと土煙が立ち込め、敵機の姿を覆い隠す。

その土煙の中にいるのは間違いないのであるが、その詳細な位置は掴めない。

バラック側としてはいいのだろう、反面、煙の中に取り残された側としてはいつ敵がいつ攻めてくるかどこから弾丸が撃ち込まれてくるかが一切わからない。

しかし、一向に銃弾は撃ち込まれなかった。



銃弾の代わりに現れたのは

漆黒の妖狐と呼ばれた一機のAMだった。


その両手には銃器も、ナイフの一本も何の武器も持たず、敵機に垂直に手を振り抜く。

爪狐、その名の由来は両手の指先にある鋭い爪、無論、武器が持てないわけではない。

ただ、霧野はそれをしない。

銃器を持つこともあるが近接戦闘を行う際は常にその手は空である。

その意味は、爪狐の爪が敵機を穿つ爆音とともに示される。

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