PRAY MACENARY
四章
「これが新鋭機ねえ。」

青天の青空の下、舩坂は群青色の機体を見上げていた。
昨夜、佐良と霧野が運搬してきた機体である。

「伊-13 隼(はやぶさ)。全長は小型の5m弱、機体背面にはウィング付きのブースターを装備。
ウィングにより、狼牙等、今までの機体の行うジャンプとは違い、長時間の飛行が可能となっている。
また、こちら側で初めて飛行機能を搭載した機体、飛鳥(あすか)を小型、軽量化することに成功し、旋回性能が向上……。

…地上戦ではなく、空中戦をメインに行うことを想定して作られた機体だな。」

新しいおもちゃを眺める子供のように軽くはしゃいでいる舩坂の横で、白井が隼の資料を見ながら頷いていた。

「今日、この機体のパイロットが来るらしいよ。」

佐良が舩坂と同じように群青色の機体を見上げながら呟く。

見上げる機体は狼牙よりやや小さく、背面にあるウィングは戦闘機の翼のような形をしており、その為か、機体全体にも、三角形に近いフォルムに感じる。

「新しいパイロットね…。」

舩坂は機体越しに青い空を見上げ、遠い目をしている。



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