花の咲く頃に
彼は長袖のTシャツに下は細身のパンツという見るからに暑そうな姿。
季節は8月。
大学は夏休みの真っ最中。
一年で一番暑いとされている季節だった。
私の声に彼の肩が震えた。
くるっと振り向いた彼は、大きくて真っ黒なサングラスをしていた。
髪の毛は金より白く、見るからに固そうで重力に逆らって広がっている。
一瞬ライオンが脳裏に浮かんだ。
少しだけ見える肌は、顔色が悪いのかと思わせるくらいに白かった。
ギャル男?
もしくはビジュアル系?
見た目で判断してはいけないけど、ここの学生には見えない。