大好きっ!!
「ごめんね、本当にごめん。あたしの家の都合で…っ」

冷たい風が俺のほほをかすめる。

「お前のせいじゃないから、もう泣くな?」

それしか言えなかった。

もっと、俺に文章力があれば湧き上がるこの想いを伝えられたのかな…

「でもっ…せっかくプロポーズだってしてくれたのにっ…」

「いーから、黙ってろ」

俺は桜音をぎゅっと抱きしめた。

そのままとても長い時間が流れたように感じたが実際は5分程度だろう。

「…そういえば」

俺は桜音を離した。

「なに…?」

「いつ?引っ越し。」

「……1週間後」

「え…っ」

1週間の間になにができる?

一週間後と言ったらクリスマスか…
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