大好きっ!!

『あの時』

あのとき、俺はまだ小学校5年生だった。

そのころからもてた俺はなんと、クラスのプリンセス的存在から告白された。

「もちろんいいわよね?」って脅迫するような瞳で。

俺はそんな奴好きじゃなかったから、

「ごめん」

って断った。

あんなにかわいいんだからすぐいい人見つかるよ、ぐらいの気持ちで。

だが、そいつは…

男子に「ひどいふられ方をした、殴られた」

って嘘ついたんだ。

そのあと俺は男子からいじめられ始めた。

水だってぶっかけられたし、殴られた。


〝俺はなにも悪くない〟


「お前、うぜーんだよ!」


〝俺は何もしていない〟


「お前さ、ちょっと顔がいいからって調子乗るなよ!?」


〝どうして俺が…〟


俺はその日、階段から突き落とされて、全治1週間のけがを負った。

その間、毎日お見舞いに来てくれたのは…

俺がフッたクラスのプリンセスだった。

「大丈夫?」「痛くない?」「ごめんね、私のせいで…」

ときにはそいつ、泣くこともあったけど、

「帰れ」

とだけ言ってあとは黙っていた。

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