大好きっ!!
「…ん!……ちゃん!!ねーちゃんっ!!」

「はっ!裕真…?」

「どうしたのねーちゃん!ってかなんでオムライス作るのに鍋出してるの!?」

「えっ!?あっ、あぁ!!」

あたしの手が握っているのは鍋。

しかも水をためようとしている。

…あたし、オカシイ…

「…もしかして、お母さんのこと?」

「うん…お母さんのこと思い出してた。」

裕真はお母さんのことを知らない。

いや、知ってるんだけど小さかったから本人はたぶん覚えてない。


「ねーちゃん、今日は俺も手伝うっ!!」

「えぇ?大丈夫だよ?」

「ううん、ねーちゃん、今までありがとう!!みんなにね、ねーちゃんのこと自慢したら『すごいね!』だって!おれも嬉しいよ!」

裕真っ…

あたしは涙しそうになった。

そんな風に思ってくれてたんだね。

でもね、裕真。

あたしが頑張ってこれたのも裕真の笑顔を見るため。

〝ねーちゃん、さんきゅっ!!〟

って笑顔で言ってくれたらねーちゃん、何でもできるよ。

恋とは違うけど、大好き。裕真!

「裕真、こちらこそ、ありがとう!」

裕真はきょとんとしている。

でも裕真にはこの気持ちもうちょっと黙ってよう。

もっと裕真が大きくなってからそっと伝えるんだ。

裕真はどういう反応をするかな?

きっと、その時も笑って〝ねーちゃん、ありがとうッ〟って言うかな…



姉弟のキズナが深まった夕方でした。
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