大好きっ!!


「おいしい?」

「うんっ!!ねーちゃん、サンキュっ!」

うーん、かわいい!

ちょっと危なっかしい手つきだったけど、最後の最後まで見たいドラマの再放送を見ずに頑張ってくれた裕真。

そのオムライスがまずいわけがないよね!


夕ご飯を食べ終わりバラエティーを見ながらリラックスしていると…

pllllllll…

「? 誰からだろ?」

〝着信 お母さん〟

「!!」

お母さんか電話来たの、初めてかもしれない。

ずっと、連絡はメールだった。

〝今日、帰れない。〟

〝明日は遅くなる。〟

そんなそっけないメールでもお母さんからのメールは嬉しくて嬉しくて全部保護ってたっけ?

でも、いつしかそんなメールも来なくなった。

あたしは「嫌われてる感」が倍増していった。

だから、あの日、雄に「親に愛されてない」って語っちゃったんだっけ……

ぴっ!

「もしもし?」

「!! もしもし?桜音?」

「お母さん……久しぶり」

「……」

「お母さん?」

「桜音、今年高校1年生よね?たくさんお土産持って行くからね、待っててね。」

お母さんは泣いているようだった。

「うんっ!待ってるよ!ね、裕真に代わるね?」

「えぇ!」

あたしは裕真に「ほら」と言ってケータイを渡した。

最初、裕真は戸惑っていたが裕真の顔に笑顔が表れ始め、あたしも嬉しくなった。

「お母さん」。

裕真がちゃんとお母さんをお母さんと呼んでくれてよかった。

裕真は前にも言ったけどお母さんのこと知らないから。



いよいよ明日か…

おいしいハンバーグ作って二人を迎えるぞ!!

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