ドラゴン・テイル

 剣を振り上げ、ウルの首に向かって振り下ろす。
 蹲るウルに見えるはずが無いが、ウルにはその動きが手に取るように分かった。

 ─反逆だと……?

 風を切る音が耳を付く。

 ウルは片足を軸に、転がるように大きく横に飛んだ。

 ザンッッ

 剣が空を切り、僅かに地面を裂く。

 転がったウルは、熱気で赤く晴れ上がった右腕を押さえながら立ち上がった。

「……反逆だと……?」

 ウルはクルセイダーを睨み据えて言う。

「ふざけるな。反逆者はお前等だろう…。
 ルーヴァの生き残りを殺し…、コパンを切り…、クレイグ達を処刑するだと?」

 腰に据えたロッドを引き抜く。

 それを真っ直ぐクルセイダーに向けた。

「そんな事は、絶対にさせないッ!」

「ふんッ、貴様に何が出来る!」

 怒鳴り、剣を構えるとウルに向かって奔った。

「プロテクションッ!」

 ロッドに対物理硬化の魔法を掛け……─

 ギィィ……ン……ッ

 振り下ろすクルセイダーの剣を、防ぐ。

「…く…ッ!」

 剣圧に、ウルが片膝を付いた。

「剣術では、私の方が上のようだ」

 クルセイダーが嘲るように笑う。


「うるーっ!」

 コパンが悲鳴に似た声を上げた。


 ヒュッッ

 風を切る音。

 ほんの一瞬の出来事だった。



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