ドラゴン・テイル

 ──ギィィィン………

 金属がぶつかり合うような音。

 何が起きたのか分からず、強い衝撃で弾かれる自分の剣を見るクルセイダー。
 次の瞬間……─

「フリーズランスッ!」

 ウルの放った氷の槍が、クルセイダーの胸元を鎧ごと貫いた。

 一瞬の沈黙。

 自分の胸に刺さる槍とウルの顔を、信じられないと言う顔で交互に見る。

 地面を見ると、先ほど自分の剣を弾いたそれが転がっている。

 銀の………矢………─。

 そこまで目を向け、クルセイダーの体は大きく傾き、地面に崩れ落ちた。

 ウルは、矢が飛んできたであろう方向に視線を向ける。

 そこには、こちらに向かって走ってくるエルフ女の姿があった。

「逃げるわよ! このままじゃ捕まるッ!」

 言って、落ちた銀矢を拾いざま林の中に駆け込む。ウルが辺りを見ると、盗賊達の殆どが地に伏していた。

 ウルはコパンを抱えると、エルフ女の後を追うように林の中へ飛び込んだ。

 前方に、エルフ女の走る後ろ姿が見える。ウルはただただ、その後ろ姿だけを追い続けた。

 ─ッはぁ……はぁっ……ッ


 林を突き抜け、道の無い森に入る。

 森の中を走り、どこからともなく合流した数人の盗賊達と進むこと十五分程度。

 深く生い茂った木々に囲まれる大地に陽の光は無く……、その先に見えた巨大な影に、ウルの足が止まる。

 森の木を切り倒し、そびえ立っていたのは巨大な古城だった。

_
< 187 / 257 >

この作品をシェア

pagetop