シムーン
ギシッ…と、ベッドは何度も浮き沈みを繰り返していた。

シーツが波のように動いている。

真っ暗な部屋を静かに照らすのは、月の光だけだった。

腕の中にいるのは、ただ1人の最愛の人である。

「――どうしたい?」

イジワルを仕掛けるように、耳元でささやいた。

「――ッ…」

ささやかれた瞬間、彼女は恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。

もっと、イジワルをしたくなる。

「――ねえ、黙ってちゃわからないよ?」

極上と言ってもいいくらいの甘い声でささやいて、わざとらしく彼女の耳に息を吹きかけた。
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