シムーン
ビクッと震える躰は、意外と敏感なんだなと思った。

「――きて…」

恥ずかしそうに、彼女が言った。

「よくできました」

ご褒美に、額にキスを落とした。

「――あっ、勇…」

濡れた瞳で、真希が俺を見あげる。

ヤバい…。

そんな瞳で見つめられたら、おかしくなる。

もっと欲しいと思ってしまう。

もっと求めてしまう。

真希を愛すたびに、欲張りになる自分がいる。

俺の唇から、その言葉がこぼれ落ちる。

「――愛してる…」
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