シムーン
『わかっていると思いますが、昨日のオフィスで撮ったあなたと森藤さんのキスシーンです

これをバラされたくなかったら、今から指定する約束の場所にきてください

でないと、明日会社中のパソコンにこの画像を流します』

感情のない文章から感じるのは、殺意にも似た冷たいオーラだった。

怖い…。

携帯電話を持っている手が震えた。

これをイタズラメールだと思えたら、どんなに楽なことだろうか?

そう思えないのは、目に見えない誰かの存在か。

私は冴子にメールを作った。

『気分が悪くなったから、医務室に行ってくる』

送ってから数十秒に了解の返事をもらった。

私は携帯電話をポケットにしまうと、トイレを出た。
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