シムーン
「ねえ、真希」

笑った後で、冴子が言った。

「本当は、何かあったんでしょう?」

冴子に言われて、私は目を伏せた。

「私が真希の異常に気づいてないと思った?

それに気づくほど、私たちは何年友達やってるの?」

冴子には、ウソつけないと思った。

私の身に何かあった時、真っ先に話を聞いてくれたのは冴子だった。

私が打ち明けるたびに、冴子は厳しいながらも優しいアドバイスをくれた。

いつだって冴子は、私の見方でいてくれた。

「――冴子、実は…」

私は、これまでの全てを冴子に打ち明けた。
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