シムーン
彼女だった。

泣いたのか、目が真っ赤だ。

一体、こんなとこまで何しにきたのだろうか?

けど、俺はもう逃げなかった。

守りたい人がそばにいるから。

愛する人は、1人だけで充分だから。

そう思いながら、俺は真希の肩に手を回すと抱き寄せた。

「…えっ?」

顔を真っ赤にして、真希が俺を見あげてきた。

「俺はこいつしか愛せない」

俺は言った。

「今回は、お前のしたことは許してやる。

けど、2回目は確実に許さない」

ジッと俺を見ている彼女に話を続ける。
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