シムーン
「――ここの会社だったんだ」

唇から発せられた言葉は、これだった。

彼女はOLの制服に身を包んでいた。

その制服は、間違いなく我が社のものだった。

「――あなたも、ですか…?」

遅れて、彼女の唇からその言葉が発せられた。

「うん」

俺は首を縦に振ってうなずいて答えた。

他にも何か方法があったはずだが、俺にできたのはたったこれだけだった。

「そう、ですか…」

彼女が言った。

思わぬ形の再会を偶然と呼ぶべきか必然と呼ぶべきかと、俺は迷った。
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