シムーン
今さらながら、自分の気持ちに気づいた。

しかも、こんな時に気づいてしまった。

最初から気づいていればと、俺は後悔する。

そうすれば、バカなことをしなかった。

彼女に、無理やりキスしなかった。

「――バカなもんだ…」

もう1度、今度は自虐的に呟いた。

今までの自分の気持ちは、他の男への嫉妬と彼女への独占欲だった。

どうせなら、もっと早く気づいてろ。

笑いたくても、笑えない。

どこまで、自分はバカなんだか。

どこまで、自分は無自覚なんだか。
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