ショコラトリー
 デート当日

 クヴェルとデート。
 そう思ったとたん、遠足前の子供のように胸がドキドキし、殆ど寝れないまま朝を迎えました。
 もう少し布団にくるまっていたい衝動を抑え、いつもより遅めの起床ではあったものの、ショコラは布団から出ると散々悩んで選んだ服を着て、目一杯のおしゃれをし、なれないお化粧に数えるほどしかないアクセサリーを身に付けます。


『はぁードキドキする…』


 布が掛けられたショーケースの横に座り込み、クヴェルが来るのを今か今かと待っています。
 今はショコラにも見えないフェアリー達は、ショコラの格好を見て、何事かと周りを飛び回っています。
 そんなフェアリーをよそに、緊張し過ぎて苦しくなってきたショコラの目に飛び込んで来たのは、ドアの前に立ち、ドアを開けるか迷っているクヴェルの姿でした。
 その姿に、ショコラは小さく微笑み立ち上がると勢いよくドアを開けました。


『おはよう、クヴェル』


「おはよう、ショコラ。よく眠れたかい?」


『実は、緊張し過ぎてあまり眠れなかったの』


 そう言うとクヴェルも「僕も緊張して眠れなかったんだ」と笑いました。
 それにつられてショコラも笑いました。
そうして少し喋った後、Fairyの店をあとにしました。
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