ショコラトリー
「着きましたよ」
日が傾き始めた頃、クヴェルの声に顔を上げると、街が一望出来る展望台にたっていました。
『見せたかったモノって…』
「休みなく働いてるから、こういう場所は知らないかなと思って。
夜になると、星も見えるんですよ!?
……ここを見つけた時、アナタにも見せたいって思ったんです。」
『えっ?』
「実は、この場所を見つけた日に、Fairyに初めて入ったんです。」
『そうなんですか!?』
「えぇ。誘うにしてもいきなり行って「一緒に行きましょう!」なんて言える勇気もないので、まずは親しくなろうと思って、毎朝同じ時間に会いに行く事にしたんです。」
なぜいきなりそんな話をするのか、ショコラには分かりませんでしたが、一生懸命になにかを伝えようとしている横顔に、いつの間にか真剣に耳を傾けていました。
「顔、せめて名前だけでも覚えてもらおう!って必死になって通って。
やっと一緒にこられた……ずっと、断られるんじゃないかって怖くて。
だから、緊張して眠れなかったって聞いた時、正直嬉しかったんです。」
『どうして私なんか…』
「アナタだからです。
ショコラだから一緒に来たかった。
好きな人とこの景色を見たかった。」
クヴェルの突然の告白にショコラは言葉を失いました。
──茜色に輝く空が、クヴェルの横顔を優しく照らしています。
「突然こんな事言ったら、驚きますよね。
でも、どうしても伝えたかった…アナタが誰かの物になる前に。
返事はいつでも……」
『私もです!』
クヴェルの言葉を遮り、ショコラが話し始めました。
『私もアナタに初めて会った時から気になっていました。
会う度にアナタに惹かれていくのも分かったし、アナタを見るだけで心臓が早くなって、頭が真っ白になってなにも話せなくなってしまって…… 本当はもっと話していたいのに。』
「ショコラ……」
『私も、クヴェルが好きです』
「本当に?」
ショコラはクヴェルを見つめ、強く頷きました。
長い長い片思いが終わり、不器用ながらも幸せな結末に二人で笑いました。
赤く染まる街を見下ろし、二人の顔が引き合うように近づき、そっと唇を重ねるのでした。
日が傾き始めた頃、クヴェルの声に顔を上げると、街が一望出来る展望台にたっていました。
『見せたかったモノって…』
「休みなく働いてるから、こういう場所は知らないかなと思って。
夜になると、星も見えるんですよ!?
……ここを見つけた時、アナタにも見せたいって思ったんです。」
『えっ?』
「実は、この場所を見つけた日に、Fairyに初めて入ったんです。」
『そうなんですか!?』
「えぇ。誘うにしてもいきなり行って「一緒に行きましょう!」なんて言える勇気もないので、まずは親しくなろうと思って、毎朝同じ時間に会いに行く事にしたんです。」
なぜいきなりそんな話をするのか、ショコラには分かりませんでしたが、一生懸命になにかを伝えようとしている横顔に、いつの間にか真剣に耳を傾けていました。
「顔、せめて名前だけでも覚えてもらおう!って必死になって通って。
やっと一緒にこられた……ずっと、断られるんじゃないかって怖くて。
だから、緊張して眠れなかったって聞いた時、正直嬉しかったんです。」
『どうして私なんか…』
「アナタだからです。
ショコラだから一緒に来たかった。
好きな人とこの景色を見たかった。」
クヴェルの突然の告白にショコラは言葉を失いました。
──茜色に輝く空が、クヴェルの横顔を優しく照らしています。
「突然こんな事言ったら、驚きますよね。
でも、どうしても伝えたかった…アナタが誰かの物になる前に。
返事はいつでも……」
『私もです!』
クヴェルの言葉を遮り、ショコラが話し始めました。
『私もアナタに初めて会った時から気になっていました。
会う度にアナタに惹かれていくのも分かったし、アナタを見るだけで心臓が早くなって、頭が真っ白になってなにも話せなくなってしまって…… 本当はもっと話していたいのに。』
「ショコラ……」
『私も、クヴェルが好きです』
「本当に?」
ショコラはクヴェルを見つめ、強く頷きました。
長い長い片思いが終わり、不器用ながらも幸せな結末に二人で笑いました。
赤く染まる街を見下ろし、二人の顔が引き合うように近づき、そっと唇を重ねるのでした。