その一瞬まで…
1
寒い二月が終わりに近づいてきたのこの頃。
「花梨(かりん)!!なにボーっとしてんの?置いてくよ?」
窓の外を眺めていると、声をかけられた。
『ごめんごめん、杏(あんず)』
「んもお、チャイム鳴っちゃうよー」
急ぎ足で教室を移動した。
私、清水花梨。16歳の高校一年生。
隣にいるのは幼馴染の加藤杏。
好きなことは、お菓子を作ることと友達としゃべること。
あと、窓の外を眺めること。
最後の1つを除けばごく普通の高校生。
まぁ窓の外を眺めるの好きな人は結構いるかもしれない。
でも私みたいな人は少ないだろう。