君が、イチバン。

アパートに帰って、倒れ込むようにベッドに転がる。

資格、貰っちゃったな。

鍵は冗談だけど、あっさりとそれをパスした四宮君にもうほんとずるいなあと思う。

あんなに感情をストレートにぶつけられた事がなくて、戸惑っているのだ。

四宮君に絆されて、そばにいたら、きっと彼は毎日新鮮な驚きをくれるんだろうなと思う。
飽きる事なく愛をぶつけて、あの宝石みたいな瞳に映る事が出来るだろう。
鰐渕さんの事なんて思い出す日もこないかもしれない。それは良いな、後悔に苛まれる事もないなんて。

先の事なんて考えない程お互いだけを見つめる、そんな恋愛ができるとは思わないけど、それでも想像の中の私と四宮君は幸せそうだ。

ギャップ萌は大切だもんね。

四宮君は戦隊ヒーローなら緑だな、なんとなく。アウトローというか、意外性が一番強いというか。

ゆっくり睡魔が襲ってきて、まどろみの中で思考が緩くなって、夢うつつで、いつの間にか隠れ戦隊ゴールドの瑛ちゃんが子供のように泣く私をずっと慰めていた。


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