君が、イチバン。


「しいな、来たよー」

午後8時を過ぎた頃、テンションの高い声で真衣が数人でやってきた。
いつもより若干濃い目にメイクした真衣に苦笑する。真衣たん気合い入ってるじゃんか。



「ね、いる?」

にやにやしながら聞く。

「事務所にいるけど、忙しそうだから駄目だよ」

小声で真衣に呟いた。真衣もさすがに呼んできてとは言わなくて残念そうにカラオケの個室に入っていった。
その内オーダーが入って岡本さんが行く。
戻ってきた時、何だか眉を寄せていた。


「どうしました?」

なんか失礼でもしたかな?

「さっきの部屋若咲の友達だったよな?」

「はい、何か失礼でも?」

「いや、そうじゃない…」


岡本さんはまだ何か考えてるみたいだ。


「どっかで見たことあるんだよな…」


以前に真衣が来た時は沖君が相手をしていたから岡本さんは真衣を見るのは今日が初めての筈。

「まあ、いい」

結局考えるのを諦めたのか岡本さんはあっさり思考を放棄したらしい。
一応、真衣に聞いておこう。忘れなかったら。


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