君が、イチバン。
慣れてきた、と言ってもやっぱり名前と顔が一致しないから他のフロアのメンバーにはとりあえずあだ名をつけてみた。
今日出社が一緒になった彼はタラコさん。タラコ唇だから。名前も只野さんで微妙にかぶったりして得した気分だ。
それから、いつも目付きの悪い井村さんはらっきょ。…いや、まじでセンスのないあだ名で申し訳ないけど、井村さん坊主なんだもん。
心の中で呟きながら、軽やかに挨拶を交わした。
「仕事には慣れた?」
タラコさんの口調は優しい。ちょっとオタクっぽいけどきっといい人だ。
「はい、なんとか。」
あたしが微笑で返すと同時に、
「若ちゃんは、モテるでしょ!?」
らっきょさんがいつの間にか会話に入ってきてテンション高く笑顔を向ける。
…若ちゃん?
もしかして私の名字を取った感じ?
それまたちょっと可愛いな!
ぼんやりしていた私に構わずらっきょさんは気さくな口調で話続ける。怖そうなのに。やっぱり見かけで判断しちゃ駄目だな。
「彼氏はいるの?」
出た。この質問は初対面の従業員さんに必ず聞かれる。もうなんか挨拶みたいな感じで。
おはよー天気いーね彼氏いるのー、みたいな。
「いませんよ」
苦笑して返すとその反応が不思議だったのか、らっきょさんは首を傾げた。