私の兄は、アイドルです。
そうだよ!
良いコト思い付いたよ!
暑いんだから皆喉渇いてるだろうし、
雑用係の時に培った経験でかは分かんないけど
飲み物調達はかなり早いしねっ!
「「「え、そんな悪いよ……」」」
申し訳なさそうに言う3人に笑顔で手を振って、
半ば強引に私はアトラクションを待つ列から離れ
最寄りの売店に走った……
んだけど……
「「「「キャーッ、かっこいいーっ!」」」」
……売店の手前で、
凄まじいくらいの人だかりがいて。
「こっち向いてーっ!」
「ヤバい、本物かっこよすぎる!」
「4人ともスタイル良いー!」
その場にいる人は、みんな女の人で。
誰か芸能人でも来てんのかなぁ?
勢い激しすぎだし……
あっ……
だから今日はこんなに混んでんの?
納得だけど
イィ迷惑だよ……
だなんて軽い気持ちで
人だかりを通り過ぎようとすると……
「「「「キャーッ、ナオトーっ!」」」」
……幻聴かも、私。
まさかね。うん。
まさかね。
恐る恐る声のする方を振り向くと……