御曹司が恋したお姫様!?㊤
「ううん。
伊織のことはもういいのよ。
いずれこんな日がくることも、分かってたんだから」
微笑んで見せたけど、それは作り笑いだということは見てとれた。
「それじゃあ、その間伊織さんは………?」
「伊織も一緒に帰るの。
兄なんだし、妹の結納に顔出さないわけにもいかないでしょ」
「そっか………」
あたしと優梨亜は顔を見合わせた。
いくら親友だとはいえ、下手に口出しできない。
これは美織ちゃんの人生を左右することでもあるのだから…。