白衣と恋する保健室



俺はそのまま身を退き
デスクに向かった。



その上には何重にも
重なった書類の山が・・・


「ゲッ」


奴(教頭)に寝てサボって
いたのが見付かったのか・・・?


はぁ~、めんどくせぇ。
早く終わらせて帰りたいのに。



しょうがなく俺は椅子に座り
書類と向き合う事にした。


と、何か背後から物音と
気配がするではないか。




思い後ろを振り返れば、女子生徒が目をパッチリあけてこちらを見つめていた。




「・・・・誰?」


「保健室の先生だけど。」


ま、それしか言えんな。


「た、高島先生は?
 どこにやったの?」


女子生徒はかなり焦っている。
目を白黒させているから・・・
動揺しているのか?


「他の学校に転任した。
 ・・・・お前、名前は?」


なんとなく・・・・
知りたかったからな。

興味本意で・・・(じゃなく
先生としてだ。


「ててて、転任!?
 こんなチャラ男が先生!?
 あり得ない!不景気だ!」


俺の言葉を華麗に無視し
慌てふためくこの女子生徒は

“橘 千草”

名札をみたら一目瞭然だ。




「転校する!あの先生がいないと
 安心して学校に居られない!」




橘は1人で喋り1人で混乱して
保健室を走って出ていった。




保健室の窓からは
橘の走る姿が目に見えた。




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