ばい
プップー
車のクラクションが鳴り右を見てみると車が見えた。
それと同時に
「仁!」
−ドン
誰かに突き飛ばされ…
「…てぇ」
顔を上げると目の前に
「乃亜…?」
血だらけになった乃亜が倒れていた。
「の、あ…乃亜!」
急いで立ち上がり乃亜に近付き上半身だけ抱き起こし何度も乃亜の名前を読んだ。
でも乃亜は目を開けることはなく
「救急車が来ましたよ」
誰か呼んだ救急車が来ても
救急車の中でも
病院の救急治療室に着くまでにも何度も何度も
乃亜の名前を呼んだけど…
「乃亜!乃亜…」
「……」
乃亜は一度も目を開けずに
俺の声にも返事してくれなかった。
やっと見つけたのに…
目を開けて…
俺の名前を呼んでくれよ…
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