先生
狂いだした歯車
次の日、ホームルームで配られた

【保健たより】

私は何気なく眺めていた。


「一色先生って相当可愛いらしいぜ」

男子はどこから仕入れたのか、そんな話で持ちきりになっていた。

そりゃ、思春期真っ盛りの高校2年生。
若い保健の先生が来ると知ったら、ほっとく訳がないよね。


もちろん、男子はみんな無意味に保健室に行って一色先生をチェックしていた。


どんだけ暇なんだ?!


聡史もその内の1人らしく、柚子がプンプン怒っていた。


バカだなぁ、聡史。


柚子をなだめながら、持っていたチョコを柚子の口に入れた。

「チョコ切れ?」

少し笑顔になる柚子は

「ん、美味しい!!ありがとう。ってか、純那。保健室行かない?」


どんなお誘いだよ!!


否定しようかと思ったんだけど、

『柚子も1度行ったら気が済むかな?』

なんて思い、2人で保健室に向かった。


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